ラノベ紹介 『異世界妖怪サモナー ~ぜんぶ妖怪のせい~』 【オススメ度:☆☆☆】    

【異世界妖怪サモナー ~ぜんぶ妖怪のせい~】
異世界妖怪サモナー ~ぜんぶ妖怪のせい~ 異世界に転生した神野琥珀は、なんと伝説の召喚師だった! だけど召喚できたのは青坊主、野槌、そしてタヌキ…ってオマエら妖怪じゃねーかっ!! あげく村を追い出されたオレは、無職の剣士ライカや妖怪たちとダンジョンぐらしを始めるが――!?
「そんな妖怪知識いらないから!」「Hな妖怪も出てくんな!!」「魔王軍のスカウトもお断りっ!!!」
 京極夏彦先生も大推進! 掟破りの異世界×妖怪ファンタジーが開幕!!


(著:東亮太 刊:角川スニーカー文庫)


【主な登場人物】
神野琥珀……異世界ラノベをこよなく愛する本作の主人公。異世界に転生して最強の勇者になって美少女とパーティを組んでチヤホヤされたいラノベ脳――というかなろう脳で、念願の異世界転生を果たしたものの、覚醒した「妖怪を召喚する能力」のせいでなにもかもが上手く行かない! 妖怪に振り回されまくる少年の明日はどっちだ!
ライカ・ブランキッテ……ビキニアーマーなヒロイン。初登場時はテンプレなツンツンヒロインの雰囲気を醸し出していたが、物語が進むにつれただのアホの娘と成り果てていく。いつか自分の目の前に最強の勇者が現れて、その勇者のパーティになってギルドから莫大な勇者印税をもらって――と壮大な妄想癖人生設計あり。
ヤエ……主人公が召喚した化け狸な女の子。主に妖怪の解説役と、変化の術を用いたストーリーの撹乱を担当する。化け狸だから仕方ないのかもしれないが、男のアレに興味津々。アレがなにかは察してください。

 京極夏彦先生大推進という、妖怪小説として最大級の名誉を賜ったらしい作品。しかし、見るからになろうの悪しき異世界テンプレな印象を受けるので、正直、博打のつもりで買ったわけですが。
 結論としては、この作家さんは妖怪が好きなんだなあというのがしっかり伝わってくる作品で、思った以上に楽しませてもらいました!

 異世界に妖怪を突っ込んだ異世界コメディとなります。徹底してコメディです。シリアスなんてありません。妖怪を、おもしろおかしい滑稽なキャラクターとして貫き通しており、カリスマなんぞ最初から最後まで行方不明です。
 つまり、残念妖怪ってことです! 私はこういうのを待っていたぁっ!
 残念妖怪なので、カリスマあふれるカッコいい妖怪たちを期待していると肩透かしを喰らう点は注意!

 ストーリー。
 清々しいほどのテンプレです。恐らく作者本人もわかった上でわざとやっているのでしょう。「せっかく異世界にやってきたんだからテンプレを満喫したいのに、妖怪のせいで全然上手くいかないぞ(#゚Д゚)ゴルァ!!」と、そういうスタンスの作品なのだと思います。
 その影響で冒頭はちょっと頭の中をカラにしたくなるテンプレ具合なのですが、第二話以降、登場する妖怪たちが増えてくるにつれて段々面白くなっていきます。主人公が召喚した様々な妖怪に、ひたすら人間たちが振り回されます。それだけです。それだけですが、登場する妖怪たちがみな個性的すぎて、これがまたなんとも痛快。馬鹿馬鹿しいほど賑やかなその風景は、妖怪好きとして素直に羨ましいものでありました。
 ストーリー後半で、『稲生物怪録』を絡めてきたところもGOOD。妖怪好きにはたまらんです。
 なお登場する妖怪は、化け狸のヤエちゃんを始め、青坊主、野槌、魍魎、件、おとろし、牛打ち坊、馬魔などなど、メジャーもマイナーも合わせて様々。やっぱり妖怪好きにはたまらん。

 世界観。
 あってないようなものです。異世界モノでありながら、異世界の設定がかなり雑。だいたい全部テンプレなので、この作品独自の異世界設定というのはありません。主役はあくまで妖怪であり、異世界ではない点に注意。

 キャラクター。
 とにかく個性豊かな妖怪たちが魅力的です!! 作者の東亮太氏は全日本妖怪推進委員会の所属ということで、妖怪に関して確かな知識を持っていると思われ、登場する妖怪たちはみな残念でありつつも、実際の伝承・文献に沿った忠実な設定となっています
 なので、妖怪についての知識があると一層楽しめるでしょう。化け狸のヤエちゃんが超絶犬嫌いであるという設定なんかは、芝右衛門狸のお話を彷彿とさせます。
 一方で。
 個性的すぎる妖怪たちに押されて、人間側の影が薄いです。残念度もはっちゃけ度も総じて妖怪たちに見劣りしてしまい、いまひとつ輝けなかった印象でした。ヒロインのライカを含めた人間キャラの大半が、いてもいなくても大差なさそうだったところは惜しかったです。なまじっかみんな残念美人だっただけに。
 残念美人なのに輝けない。これもみんな、妖怪のせいなのね。
 もし続編が出た際は、人間たちも妖怪に負けず劣らず残念に輝けることを期待です。

 総じて。
 私は好きな作品でした。妖怪という存在について、本編で『人の心に巣食うネガティブな感情を、おもしろおかしい形に変えて晴れさせてくれる』と書いていましたが、まったくもってその通りだと思います。日本の後ろめたい過去を孕んだ歴史的存在であると同時に、人を愉快な気持ちにしてくれる、おもしろおかしいキャラクターでもある。二つのまったく異なった性格を持つのが、妖怪の素晴らしいところなのだと思います。
 ただ、好きではあるのですが、随所に散らばるなろう脳が痛手となっていまいちオススメしづらい作品でもありました。

 あと余談ですが、下ネタが多いです。この作者、トイポクンペが大好きすぎである。
 トイポクンペがわからない人は、こちらの『4. 地下のおばけ』を参照。尻目や柿男同様、変態妖怪戦線の最前線を駆け抜けるひy妖怪。こういう真剣にわけわからんやつがいるから妖怪って大好きです笑

 では、今回はこのあたりで筆を擱きます。
 雨宮でした。


 ……ところで、巫女服ロリっ子お狐さまの登場はまだですか?









2015.10.17(土) 17:30  /  COMMENT(4)  /  TRACKBACK(0)

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1413/ Re: 怠惰な奴さん

怠惰な奴さん>
 ほほう、怠惰な奴さんオススメのSSですか……これは要チェックですね!
 ( ゚∀゚)o彡°きつね!!きつね!! ということで、時間を見つけて読んでいきたいです。ああでもこの間新しい小説買ったばっかで……また何冊か積んじゃってて……ウワアアア
 コメントありがとうございました。


2015.10.25 17:08 / 雨宮雪色 #- / URL[EDIT]
1410/

残念美人と言って良いのか解りませんが、なろうで狐耳のヒロインが出る小説を見掛けました。

グリモワール×リバース~転生鬼神浪漫譚~(カドカワBOOKS)
よくある転生物ですが、主人公のテンションに振り回される周りの人たち、程よいシリアス、そして何より!銀髪狐少女!!これは良い!

自分はwebで読ませていただいてますが、単行本も中々に良い感じでした。
良ければ読んでみてください。


2015.10.24 19:34 / 怠惰な奴 #- / URL[EDIT]
1405/ Re: 怠惰な奴さん

怠惰な奴さん>
 金髪狐少女ありません!!(血涙
 次巻に期待です……! もっふもふのようじょだと非常に俺得。
 コメントありがとうございました。


2015.10.22 22:15 / 雨宮雪色 #- / URL[EDIT]
1398/

金髪狐少女はありますか?


2015.10.18 22:36 / 怠惰な奴 #- / URL[EDIT]

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